こんにちは、Naruです(プロフィールはこちら)です。
ぼくは日本企業の駐在員として2019年からアメリカのニュージャージーに住んでいます。
2023年の夏に家族が本帰国し、現在は一人で暮らしています。
家族の帰国と同僚のミニマリストの影響を受けて、2023年からミニマリストを目指しております。
先日ミニマリズムと関係があると言われている美術館、Dia Beaconに行ってきましたのでその時の様子をまとめてみました。
時期よって展示しているものは違うので、この記事は2024年1月時点のものだと思ってください。
\ この記事で分かること /
・アーティスト別展示物
よかったこと:Dia Beaconとミニマリズム
Dia Beaconは、ニューヨーク州ビーコンに位置する現代美術館で、ミニマリズムとの関連が深いことで知られています。この美術館は、元ナビスコ工場の建物を利用しており、自然光だけで内部を照らしています。この開放的なレイアウトは、訪問者がギャラリー間を自由に移動できるように設計されています。
ダイア・アート・ファウンデーションは、アーティストのロバート・アーウィンと建築事務所OpenOfficeと協力して、美術館の建物や外部環境の計画を立てました。敷地内には、アーウィンがデザインした入口の庭と駐車場、花の咲く果樹の木立などがあります。
全体として、Dia Beaconは、ミニマリズムの新たな理解を促進する場として、その美術館の建築、自然光の利用、広々とした展示空間を通じて、この芸術運動の本質を際立たせています。
ミニマリストを目指している筆者としては、ここでの時間は本当に心地の良いものでした。
ミニマリストを目指してまだ半年程度ですが、Dia Beaconで2時間程度過ごしてみて、頭がすっきりしてきた感じがあります。
もやもやしたものが消えていくというか。
そして、美的感覚が以前よりも強くなっていると感じます。
そういう意味で、Dia Beaconに行ってよかったことは、
(ミニマリストとして)
・純粋にとても居心地が良かった
・ミニマリスト生活の参考になった
(空間の使い方、オブジェの効果など)
・ミニマルアート作品に触れられた
とくに、Dia Beaconに展示されているアーティストの作品は、アメリカ内にたくさんあることもわかり、非常に興奮しています。
アメリカにせっかく住んでいるのでこれからいろいろ見ていきたいという強いモチベーションになりました。
人の数が少なかったのも良かったです。
行ったのは、2024年1月6日の土曜日の朝10時です。
午後になると少し混んできました。
Dia Beaconの概要
営業時間: 金曜日、土曜日、日曜日、月曜日 10 AM – 4 PM
チケットの予約はこちらからです。時間単位で予約することになります。
Donald Judd
ドナルド・ジャッドは、基本的な幾何学と一般的な工業素材を組み合わせることで、精緻に複雑な作品を生み出しています。単純な幾何学的な箱を直接床に置いたり、壁に均等に配置したりということもしています。台座を使わないことで、実際の時間と空間での肉体的な体験を提供します。ジャッドは、伝統的な職人技の概念を拒否し、素材の本質により忠実な工業生産を好んでいました。
Juddは、ミニマリズムに与えた代表的アーティストです。
Richard Serra
リチャード・セラの作品は「物質と空間に対する動きの関係の方法」に傾注しており、1990年代と2000年代初頭に制作された鋼鉄の彫刻にもこれが現れています。大規模な設置作品は、セラが探求している知覚の表現です。
ドーン、ドーン、ドーンと3つの大きな鋼の筒が展示されています。それぞれ割れ目のようなところがあり、そこから中にはいることができます。
他にもセラの作品はいくつか展示されていました。
建物の大きさをめいいっぱい使っている興味深い作品の数々です。
Michael Heizer
マイケル・ハイザーは、巨大な発掘作業、特定の場所に特化した建造物、幾何学的な絵画、そしてドローイングを通じて、正の空間と負の空間の関係を探求し、土地そのものをアートに変える「ランドアーティスト」です。
考古学者の父親のメキシコ発掘の仕事に同行するために、12歳のときに学校一年間休んだというから驚きです。
この作品は、マイケル・ハイザーの「ネガティブウォール彫刻」というもので、長方形の隙間にはめこまれた岩で構成されています。この高くそびえる作品は迫り来る危険の感覚を生み出します。
マイケル・ハイザーの最初のネガティブ彫刻「North, East, South, West」(1967/2002)は4つの幾何学的な穴のシリーズとして考案されました。タイトルに使われている方位名は、地図上の空間と実際の空間の違いに対するアーティストの関心を反映しています。この作品は1967年に「North」と「South」として構想され、部分的に制作されました。この2つのコンポーネントが解体された数十年後、Diaはハイザーに、Dia Beaconのための恒久的な設置作品としてこのシリーズ全体を制作するよう委託しました。
これで現在は4つの穴があいている作品になっているというわけです。
1970年代には、マイケル・ハイザーは作品に理想的な地形を求め続け、アメリカ西部6州の不動産にあたりをつけ、原材料として遠隔地の土地を購入しました。1970年には、彼はネバダ砂漠で「City」というプロジェクトを始めました。このプロジェクトでは、アメリカ先住民のマウンドビルディングの伝統や中南米の先コロンブス時代の儀式都市に大きく影響を受けています。周囲の土地から採掘された材料を使用して、古代文明への関心と、スケール、視点、視点の膨大なバリエーションで作業しハイザーの独特の世界を生み出しています。
マイケル・ハイザーは、巨大アートの集大成たる、「City」を50年かけてネバダ州に完成させました。
せっかくアメリカに住んでいるのでいつか行ってみたいです。
Cityの入場者は1日6人まで。入場料は大人150ドル(学生100ドル)で、周辺住民は無料です。
詳しくはこちらのリンクからどうぞ。
Rita McBride
リタ・マクブライドは、公共の場における建築、デザイン、彫刻への長年の関心を中心に作品を展開しており、座席構造、動きを案内するシステム、商業用オーニングなどの形で表現されています。アリーナの傍らには、過去20年間の壁掛けやフリースタンディングのアート作品が展示されており、これらはマクブライドが長年にわたって公共インフラが見方を形作る方法に関心を寄せてきたことを反映しています。
このアリーナは、座ったり登ったりすることもできます。
Larry Bell
南カリフォルニアの「ライト・アンド・スペース」運動の主要人物であるラリー・ベルは、ガラスを通じて光、色、体積の交差点を探求しています。その中には金属粒子でガラスパネルを真空コーティングし、反射的で半透明の表面と形を作り出すものも含まれています。
Blinky Palermo
ブリンキー・パレルモは、単色のキャンバスと、単純な長さの色付きの素材を切り取り、縫い合わせてフレームに引き伸ばして作られた「布絵」で有名です。アルミニウム、スチール、木、紙、フォーマイカに絵を描き、絵の具の代わりにテープで線を描くこともよくありました。
展示されている「Times of the Day I-IV」は、明るい色から暗い色まで配置された色で塗装された正方形のアルミニウム パネルで構成されており、一日を通して変化する太陽光の比喩となっています。
真ん中にある灰色の椅子に座ってぼーっとする時間は至福の時でした!
Robert Ryman
1960年代後半に、ロバート・ライマンは「何を描くかではなく、どのように描くかが問題だ」と述べました。彼の絵画は、ジェスチャルなものから控えめなもの、純粋なものから激しく層をなすもの、緩やかにブラシをかけたものから繊細に適用されたものまで、幅広く変化します。素材のレパートリーも多岐にわたり、さまざまな種類の産業用塗料や希少な顔料、サポート、接着剤、フィクスチャーなど、ガラス繊維、鋼、アルミニウム、木材が含まれています。
もともとジャズのサクソフォニストとして訓練されたライマンは、1953年にモダンアート美術館のガードマンとして働き始めた後、絵画に転向しました。正式な芸術教育をほとんど受けていませんが、実践的な実験を通じて絵画を学ぶことに専念しました。ライマンの最初期の作品は、1950年代後半から1960年代初頭のもので、塗料の質や様々な造形を通じて構築された表面への強い関心を示しています。
美術館のガードマンで、サックスを吹いていた人がアーティストになるというのは興味深いエピソードです。
Robert Smithson
これらのギャラリーで展示されているのは、ロバート・スミソンによる1960年代後半の屋内土工作品5点です。これらは、砂、砂利、鏡、ガラスなどの素材で作られています。彼の実践は、サイエンス・フィクション文学や映画、百科事典コレクション、自然史博物館などの一般化された形態での科学に深く根ざしており、蓄積、移動、エントロピーのプロセスを取り扱い、私たちの見える世界の矛盾を明らかにします。
まさに、じゃり、鏡、ガラスを使った作品が展示されていました。
Gerhard Richter
ゲルハルト・リヒターは、2003年にダイア・ビーコンのための場所特有の作品として「シックス・グレイ・ミラーズ」を実現しました。6枚のグレーのエナメルガラスパネルが壁に取り付けられ、様々な角度に傾けることができる支持体から吊り下げられています。これらの中立的な深みは、訪問者を反映するだけでなく、高い窓からの光にも反応し、建築、彫刻、絵画を総合的に創り出すのです。
確かに、この部屋にいると「モノクロ」を意識します。
気持ちが無に近くなるという意味で、ミニマリストの脳の保養になります。
Robert Irwin
ロバート・アーウィンの「フル・ルーム・スカイライト – スクリム V – ダイア・ビーコン」は、1972年にハーバード大学フォッグ美術館(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の依頼で初めて制作されました。また、1970年にアーウィンが発見したガーゼのような素材、スクリムを使用して、既存の建築に関連した光の発光体積を作り出す、アーティストの最初期の試みの一つでもあります。
この薄い布を通して太陽の光を感じることができます。
部屋に入ったときは布であることも気づかず、”どうなってるんだろう?”的な不思議な感じになりました。
Maren Hassinger
五十年以上にわたる活動を通じて、マレン・ハッシンガーはパフォーマンス、彫刻、繊維芸術、インスタレーションを統合し、しばしばこれらの媒体間の境界を曖昧にしています。1970年代、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で繊維構造の修士号を取得している際、彼女は廃品置き場で工業用ワイヤーロープという素材に出会い、それ以来、この素材の特徴を物理的かつ概念的に探求することが、彼女の作品の特徴となりました。「フィールド」(1983年)は、ハッシンガーの中心的な形式的および概念的な関心を表現しています。セメントの基盤に植えられた、金属の茎のように丁寧にほどかれたワイヤーロープの束で構成されたこの作品は、アーティストの言葉によれば、「工業用フィールド」を喚起し、自然が存在しない中で人工製品が自然を模倣することによって、自然および人工環境の両方における有機形態との関係を再考することを促します。
アメリカでフリーウェイを運転していると、まさにこのFieldのような木々を見ることがあります。それを見るたびにこの作品を思い出します。
Andy Warhol
アンディ・ウォーホルの「シャドウズ」(1978-79)は、ウォーホルの最も抽象的な作品の一つでありながら、彼の実践の主要な要素である映画、絵画、写真、シルクスクリーン印刷を統合した作品です。元々はDiaによって委託され、1979年にニューヨークの393ウエストブロードウェイでの個展のために購入された「シャドウズ」には、合計102枚のキャンバスが含まれています。各展示で見られるキャンバスの最終数は、既存の展示スペースの寸法によって決定されます。
ひろいスペースの壁にぎっしり絵が貼られている割には、全体スペースから見ると少なく見えて、結果的に展示スペースの中で絵の量に押しつぶされるわけでもなく、非常にバランスがとれていると感じました。
多分これが、「キャンバス数の決定が展示スペースの寸法によって決定される」理由なのでしょう。
Dan Flavin
1963年以降、ダン・フラヴィンの作品はほぼ完全に光で構成されており、それは10色(青、緑、ピンク、赤、黄、紫外線、および4種類の白)と5形態(1つの円形と異なる長さの4つの直線の器具)の市販の蛍光管を用いています。初めはこれらの器具を様々な自立した配置で整えていましたが、フラヴィンは次第に建築に関連した作品を制作するようになり、光で通路や空間の一部を物理的に遮断する壮大なバリアーのような作品も制作しました。
ダン・フラヴィンの展示スペースは、当然ながら薄暗くなっており他の展示物が窓の外の光に大きく影響うけるのとは対照的でした。
Sol LeWitt
1960年代後半、ソル・ルウィットは、「コンセプチュアル・アートについての段落」(1967年)と「コンセプチュアル・アートについての文」(1969年)という2つの重要なテキストを通じて、彼の実践の基礎を形成する美学的原則を確立しました。ルウィットにとって、「アイデアや概念が作品のもっとも重要な側面である」ことが鍵でした。
じっと見ていると飛び出してくるようなトリックアート的な作品です。
Louise Bourgeois
東京に住んでいる人だったら、「あ!このクモは六本木のやつに似てる!」と思ったのではないでしょうか?
作者のルイーズ・ブルジョアのクモはこのNY郊外のDia Beaconだけではなく、日本の六本木ヒルズや、カナダやイギリス、ロシア、韓国にもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ミニマリズムに興味がある人にとっては、その空間の使い方を感じれる場所がDia Beaconだと感じました。
ミニマリストに関心がある人であればここにいって損はないです。
・ミニマリストにとって重要である空間について参考になる
・ミニマリストに関係するアーティスト作品がわかる
・何よりもその空間とアート作品に癒やされる
展示内容は季節によって若干変わるようですので、また筆者は訪れてみようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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