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こんにちは、Naruです(プロフィールはこちら)です。
僕は息子を日本の高校2年になるタイミングの春にアメリカにつれてきました。
日本での高校1年生を終えて2021年の春から現地校に編入しました。
その実体験をもとにアメリカのハイスクールの教科について書いていきたいと思います。
\ この記事で分かること /
・編入時の「国語」と「英語」の取り扱い
・日本にはない特徴的な科目
アメリカの高校の科目
大きな科目の分け方として、以下のカテゴリーがあります。
→文系科目。国語や社会など。
STEM
→理系科目。Science, Tech, Engineering, Mathの略です。
Visual & Performing Arts
→美術や音楽など。
21st Century Life & Careers
→アメリカの特徴的なカテゴリー。Tech Ed、Culinary Arts(料理)、Business Ed、Financial Literacyなど。
日本でいう「国語」と「英語」の取り扱い
・日本でいう「国語」は、アメリカでは、「English Language Arts」(ELA)と言います。
・日本で履修した「国語」は、アメリカでは、「World Language」として履修扱いになります。
・日本で履修した「英語」は、アメリカでは、「English Language Arts」(ELA)として履修扱いになります。
成績表の編入時の互換に関しては、こちらの記事でまとめてありますので、ご参考に見ていただければと思います。
Humanitiesとは
これは、人文科学のことです。いわゆる文系ですね。
English Language Arts
English Language Arts(ELA)は、アメリカでいうところの「国語」に当たります。
日本からくる場合は、日本で受けた「英語」が、この科目の履修と同じ扱いにしてくれます。
英語を母国語としていない国から来た子の場合には、いきなりELAを取ることは無く、English As a Second Languageという英語教育授業(ESL)を取ればELAを取ったのと同じ単位をもらえるということになります。
English As a Second Language
English As a Second LanguageがESLと呼ばれています。
英語を母国語としていない生徒向けの科目です。
要は英語です。
ESLの科目の詳細については、【アメリカの高校】ESLの単位取得で詳しくまとめてありますのでそちらもご覧いただければと思います。
アメリカ人の現地の子がEnglish Language Arts(ELA)を受けている時間帯に、英語を母国語としない生徒はESLを受けます。
英語が上達したらESLを”卒業”して現地の子と同様にELAに入ることがあります。
このESLからELAへの変更は学区域によって違うようです。
ちなみに、僕の息子が通うニュージャージー州のParamus学区域のハイスクールでESLからELA(現地の国語)に移る条件は以下です。
・共通英語テストWIDAの一定以上の点数(6月に実施)
・ESLの先生の推薦
これによって決まります。
息子は、10th を2ヶ月だけ、11thを通年通した結果、12th(Senior・最終学年)では、ESLではなくアメリカ人の子たちと同じELAをとることができました。
TOEFLのスコアが高かったわけではないので、ELAに移行するのは若干不安でしたが、結果的には良かったです。
当時の本人のスコアや英検ではなくTOEFLに絞り込んだ経緯についてはこちらの記事でまとめております。
World Languages
これは英語がネイティブのアメリカ人から見たときの外国語にあたります。ニュージャージーのParamus学区域としては以下を科目として教えています。
・ドイツ語
・イタリア語
・スペイン語
日本から来た生徒はどうなるかというと、日本語が母国語としてマスターされているということでこの単位は履修したことになるようです。
なので、改めてこの科目を履修する必要はありません。
この単位の互換に関しては、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、御興味があればご参照くださいませ。
Social Studies
日本でいう社会にあたるものです。
科目としては、World Studies(世界史+地理が合体したもの?!)、US History, European Historyの他に、選択科目(Electives)として以下のようなものが用意されています。
・American Criminal Justice
・Holocaust, Genocide & Modern Humanity Honors
・Philosophy
・Sports & American Culture
・Terrorism Today Honors
大学の科目のようなものやアメリカ独特の科目があることがわかりますね。
Social Studiesの科目の種類や単位についてはこちらの記事にまとめております。
STEMとは
STEMは、Science, Tech, Engineering, Mathの頭文字をとったもので、2000年代にアメリカで始まった教育モデルとされています。
Humanitiesの文系に対して理系というイメージです。
Math
これは言わずと知れた数学です。
項目としては、以下のような日本の高校に共通するような、科目が含まれています。
・Algebra:代数
・Geometry:幾何
・Probability & Statistics:統計
・Calculus:微分・積分
・Computer Programming
但し、さらに細かい単元の中には日本で習っていない内容も入っています。
ところで、Mathに関しては、以下のようなことをよく聞きます。
アメリカの数学は簡単なのかしら??
結論:アメリカの数学は簡単です。
自分の実体験としての理由は、以下です。
・(他の駐在員の息子例)高校編入1カ月で数学が校内No.1に
・(次男例)日本では算数が苦手。アメリカでは英語はわからないが算数だけは成績がよい
また、アメリカ人が計算が弱い理由は、計算ドリルをやるという概念が無いからだと思います。
その証拠に、Middle Schoolでは、算数の計算をするときには、計算機を使います。
授業中に計算機を使わないのは僕の息子だけです。
アメリカ人は計算が弱い傾向にあるということは、僕は仕事現場でも感じます。
Science
このカテゴリの中には、物理、化学、生物、環境科学の他に以下のようなものがあり、大学で履修するような内容も含まれており、特徴的だと思います。
・Meteorology:気象学
・Astronomy:天文学
・Forensic Science:法科学
・Sports Med & Human Anatomy:スポーツ医学、解剖学
Visual & Performing Artsとは
これは日本にも存在する美術などなのですが、アメリカの特徴的なカテゴリーの一つであると思います。以下のような詳細科目があります。
Visual Arts
これはいわゆる美術/図工を表しているようなのですが、独立した科目として以下のようなものが含まれており、大変興味深いです。
・Photography
・Digital Filmmaking
Music
これも読んで字のごとしで音楽なのですが、以下のような特徴的な科目が独立して存在しています。
・Modern Band
これは学校のカウンセラーの先生に聞いたらいわゆるバンド(ギター、ベース、ボーカル、ドラムなど)のようなものらしいです。
それで単位が取れるというのは本当にすばらしいと思います。
Dance
この中には、Dance I, II,IIIというようなものがあり、アメリカの特徴的な単位なのではないでしょうか。
Theater Arts
これもアメリカの特徴的なものではないかと思います。この中には、Acting IとIIがありそれぞれ、2.5単位づつ取れます。
21st Century Life & Careersとは
これも非常に特徴的な科目だと思います。
ニュージャージー州の教育担当局にはこの科目のあるべき姿(Vision)を以下のように記載しています。
Vision: To integrate 21st Century life and career skills across the K-12 curriculum and in Career and Technical Education (CTE) programs to foster a population that:
- Continually self-reflects and seeks to improve the essential life and career practices that lead to success.
- Uses effective communication and collaboration skills and resources to interact with a global society.
- Is financially literate and financially responsible at home and in the broader community.
- Is knowledgeable about careers and can plan, execute, and alter career goals in response to changing societal and economic conditions.
- Seeks to attain skill and content mastery to achieve success in a chosen career path.
僕なりの要約をすると、
21st Century Life and Careerは義務教育(アメリカは高校卒業まで)の期間の中で以下のような人材を育てようとしている。
・人生と仕事の充実を能動的に設計できる人
・あらゆる場面におけるお金の知識を持っている人
・キャリアパスを自ら計画・実行し、状況に応じてキャリアを変える知識も兼ね備えている人
・自ら選んだキャリアパスに必要な技能を自ら探し出せる人
このカテゴリーに分類される詳細の科目は以下です。
Tech Ed / Engineering
ここの科目の中の項目はすべて特徴的だと思いますが、以下のようなものです。
・Technical Drawing
・Architectural Design
・Computer Aided Draft
・Electronics/Robotics Tech
Culinary Arts
これはいわゆる家庭科の中の料理が切り出された科目です。I~IVまであります。
Family & Consumer Sciences
これもアメリカの特徴的な科目だと思いますが、この独立科目には以下のようなものがあります。
・Fashion Design
・Interior Design
・Child Development
Business Education
これもアメリカの特徴的といえるのではないでしょうか。大学の科目を先取りという感じで、以下のような科目が用意されています。
・Marketing
・Sports & Entertain Marketing
・Digital Communications
・Economics
Financial Literacy
”アメリカではされているのに、日本では若いうちにお金の教育がされていない”ということを日本ではよく聞きますが、これがそれです!
この科目で学ぶことを読んでみると、
ということを通し、銀行の役割、個人投資などを勉強していくと書いてあります。
自分の息子が高校でこれからこれが学べるということは本当にラッキーだなと思います。
余談ですが、日本も2022年の4月から高校の家庭科で金融教育がスタートしました。
日本でも金融教育が盛んになることを祈っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?以下のようにまとめてみます。
・アメリカの公立高校の科目:
人文系、理科系、アート系、先進教育というカテゴリーがある。
・日本から編入した生徒の「国語」と「外国語」の取り扱い
編入生は、日本で履修した「国語」は現地の「World Language」として履修済扱い。
日本で履修した、「国語」が現地の「English Language Arts」として履修扱いとなり、ESLの授業にでることで、ELAの履修をしたことになる。
・日本にはない特徴的な科目
大学科目の先取り(心理学、哲学、会計、マーケティングなど)やアメリカの特徴的な科目(ダンス、お金の勉強など)がある
もし、アメリカの高校への編入をされる方は、以下の記事も参考になるかもしれません。
もし、帰国子女の大学受験をお考えの方は、こちらにいくつか記事をアップしておりますので、参考にしていただければと思います。
記事の前提
・この記事で触れている”高校”というのは、ニュージャージー州のParamusとういう学区域(School District)を参考にしています。
・この学区域では、High Schoolは4年制ですので、日本でいう中学校3年生と高校の三年間が合わせて互換すると考えていただければと思います。
・日本から編入してくる場合を想定した解説になっておりますので、現地で育った子(言い換えればESLを受ける必要のない子)が受ける科目の説明は割愛しております。
・この記事は、2021年9月時点の情報です。この記事の内容は実体験に基づいて記載しております。
内容を保証するこものではありませんので、本当に編入される方は必ず住む地域の学区域(School District)に確認してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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